実家の片付け 「捨てないで!桐ダンス」

どこから始めていいかわからない

そんな片付け迷子さんが

自分の家がまるごと大好きになれるように
一緒に楽しくお片付けを伴走する整理収納コンサルタント

かとうあこです

今月は実家にて、いろいろ片付けています。

昭和初期に生まれた両親、なかなかモノを手放したがらない。

家の中には、そういった「使ってはいないが、手放したくない」というモノが沢山あります。
その最たるものが「桐のタンス」です。

これは、母のものでも父のものでもないのです。
母の母(私の祖母)が昭和5年に結婚した時の婚礼ダンスなんです。(どひゃー)
祖母が亡くなり、家を売却することになって40年ほど前に我が家へやってきたタンスです。

当時私は中学生くらい、タンスが二棹増えたとか減ったとかなんて全く気付かない年ごろでした。
それが、ここ数年すごく気になってきました。

なぜならば、そのタンス二棹は私が実家に帰省した時に使っている6畳に置いてあるからです。
私は毎晩その横のベッドで寝ています。

ドドーンっていう圧迫感。
今まで気にしてなかったけど、この中身っていったい何?

中身をじっくり見て驚愕
タンスの中に入っているモノは母と祖母と祖父の着物、そして父の衣類少々。

その中身を知って以来、なんだか毎晩寝苦しい。
なんだかお祖母ちゃんとお祖父ちゃんの気配を感じるような、、、。

母に相談しました。

「桐のタンスを処分してはどう?中身は使っていないモノばかりでしょ」

「いいわよ」、とは言わないですよねー。

「は?捨てる?あれを捨てたらどうしようもないわよ。」

え、、、言ってること意味不明。

どうやら、使っていない桐のタンスへの思い入れは私が思っていたよりはるかに大きいらしい。
数か月かけて、何度も説得してどうにか手放す決心をしたものの。

「あれは、母が結婚したときの嫁入り道具だった」
「とても価値のあるタンスだ」
「これにいれてるから中に入れている着物が傷まなかった」
「二○リなどの安い家具とはちがう」
「親戚の○○さんに使わないかどうか聞いてみて」
などなど、、、LINEであれこれ言ってくる。

わかった!じゃあまずは中身の整理をしよう!
とりあえず中のモノの要不要を決めてみようよ!

そこから始めようと決めたら

中身の着物をすべて出して施設から母を一時帰宅させて要不要の判断をしてもらいました。


着物については
2割即処分
3割リサイクルなら手放す
のこり3割保管
のこり2割は「あと3年間保管」という結果になりました。

ふー。やれやれ。

2割処分は
私の祖父が来ていたらしき袢纏(はんてん)・着古した着物・黄ばみのある長じゅばん・虫のくっている着物などです。



この時に、思ったこと。
母に決断を促すように、施設からわざわざ外出させたので
「着物を処分するために呼び寄せる」っていうと、「そんなんイヤだ」と言われそう。

とりあえず、
「将来私が子どもの結婚式で着るかもしれない黒留め袖がどれだか知りたい」という目的をメインに。

そして
「お茶でもしながら、どんな着物があるか見よう」

最終的には
「タンスをきれいに整理したいから、お母さんがとっておきたいモノだけにしよう」

そんな風に話をすすめました。

だからね、家に着いたらまずはお茶とお菓子を食べて
それからすべての着物を積んですぐに見せられるようにして
座りやすい椅子を用意しました。

あとは、私が呉服屋のように着物を見せて椅子に座った母が要不要の判断をするだけです。
その時に、その着物を誰がどんなシチュエーションで買って着ていたのかという話も聞きます。

思い出を誰かと共有できると、それで手放せることもあります。

母が短大を卒業式のために時につくった羽織はとてもかわいい柄。
それを着ている母が目に浮かびます。

シクラメンの柄↓


私の七五三の着物は祖母がつくってくれました。
この柄!覚えてる。


ただ要不要の判断をしていくだけでなく、思い出話を聞きながら整理すると

私の知らない祖母や母のことを知ったり、どんな暮らしをしていたのか知ることができる。
こういう時間、とても貴重です。

中には、「これは棺桶にかけてちょうだい」というモノも。
どんな着物なのかわかるようにピンクの大きい付箋に書いて、たとう紙に貼りました。
種類や色のほかに、、

例:「棺桶にかける」「お見合いに着た」「短大卒業式に着た」「こどもの小学校の卒業式で着た」
  「一番気に入っている」などなどエピソードと共に書きました。

今は手放せないけど「3年後に処分していい」というグループもつくりました。
それは、「2025年に処分する 2022年12月本人確認済み」というラベルを貼りました。

どこにどんな着物が収納されているかも、マスキングテープでわかるようにしました。
(超ざっくりですが、、、)


↓母帰宅後、ぐちゃぐちゃです。


そう!こういうことなんです。

何が入っているか不明で、訳のわからないタンスだよっていう状態よりも
それがどんなモノで、どんな意味があって保管したくて、それを最終的にどうしたいのか

これが明確になって、やっと「母にとって桐のタンスがどうして大事なのか?」の意味が理解できました。

今までは私は、
「使っていないモノを詰め込んでるだけの、ただの桐の箱じゃない?」って思っていたんです。


どうしても捨てたくないのかー。
じゃあどうしようか。

桐ダンスの処分までの道のりはまだまだ続くのでした。

あ!とても良いことがありました。

とりあえず、謎のモノがタンスからなくなったお陰?

私はタンスの横でも睡眠がとれるようになりました。

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